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『THEIR SATANIC MAJESTIES REQUEST』 THE ROLLING STONES 





1967年は欧米を中心に一大ムーブメントが吹き荒れた年として知られている。所謂”サマー・オブ・ラヴ”と称されたヒッピー・カルチャーだ。フラワー・ブーム、サイケデリック、そしてドラッグと言ったキーワードは音楽界を直撃し、そこから未だに音楽ファンに語り継がれる歴史的な大名盤、ビートルズが1967年6月に発表した『サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド』が産み落とされた。

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んな空気感に包まれるシーンの中でストーンズが、いや、マネージャーであるアンドリュー・ルーグ・オールダムがそれを見逃すはずもなく、ストーンズはこの年にサウンド・トラックを含む3枚のアルバムを発表している。1月に『ビトゥイーン・ザ・バトンズ』8月には『フラワーズ』(サウンド・トラック)を。そして彼らの”サマー・オブ・ラヴ”を最も象徴する形で放たれたのが12月にリリースされた本作『サタニック・マジェスティーズ』である。

作の『ビトゥイーン・ザ・バトンズ』でストーンズらしからぬ?幻想と抒情の世界を表現し、いち早くサイケデリックな世界に足を踏み入れ一定の評価を得た彼らは、今作ではそれを更に過激に発展させた形で仕上げた。ビジュアル面でも従来までの彼らのイメージと180度違う華美なファッションを取り入れ、当時のLPジャケットは3D仕様にするなど、時代の空気感をたっぷり含んだ意欲作としてリリースしたのだが結果的には失敗作の烙印を押されることとなった。ストーンズにとって不幸だったのは今作がリリースされた時期が12月と”サマー・オブ・ラヴ”の最盛期が夏であった時期と微妙にズレが生じた事と、何と言ってもビートルズの『サージェント・ペパーズ~』が6月に発表されたためにビジュアル面を含め、ビートルズの「後追い」と市場から評価されたことがこの作品の命運を決定づけた。

こで敢えて言えばビートルズは『リボルバー』でサイケ調を取り入れてはいたものの、サウンド的には『サージェント・ペパーズ~』で大きく変節した感があるが、ストーンズについては『ビトゥイーン・ザ・バトンズ』で先んじてサイケデリックな方向性を打ち出していたので一概に”2番煎じ”とは言えない部分もある。しかし『サタニック~』では以前から亀裂が入っていたオールダムとアルバムの録音中に衝突、ストーンズが彼を解雇するという大きな”事件”が勃発、羅針盤を失ったストーンズがドラッグと共に迷走に陥った事は紛れもない事実である。

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時、全世界から”失敗作”という致命的な評価を突き付けられた今作だが、翻って現在の耳で聴いてみると実はとんでもない傑作?意欲作であることに気付く。ニッキー・ホプキンスが奏でるメロディアスなピアノが印象的でストーンズ史上を飾る名曲【シーズ・ア・レインボー】はこのアルバムで生まれている。余談だがここで効果的なストリングスを担当しているのは後にレッド・ツェッペリンのメンバーとなるジョン・ポール・ジョーンズという豪華キャストだ。ストーンズらしくないと言われる曲群の中で”らしい”ロックを聴かせる【魔王のお城(CITADEL)】はキース・リチャーズのヘヴィなギター・プレイが炸裂し、そこに”才人”ブライアン・ジョーンズのブラス・セクションが加わりダイナミックな世界観を表現。ミック・ジャガーのヴォーカルも冴え、3人の顔役が個性を発揮する名曲である。

欲的と言えば【イン・アナザー・ランド】だろう。作詞、作曲、リード・ヴォーカルをベースのビル・ワイマンが務めているがビブラートがかかったようなヴォーカルの録音技術やアコーステック・ギターとハープシコードの音色、エンディングに”いびき”を入れるアイデア等、フラワー感満載である。また、このアルバムを最も象徴するナンバーで言えば【ゴンバー】であろう。民族的、東洋的、インド音楽の影響等、当時のロック・ミュージシャンのトレンドが如何なく詰め込まれている。無論、その任はブライアンが担い彼の多芸ぶりがタップリと味わえるしミックの牧歌的なヴォーカルもそそられる。

8ビートなのに妙な浮遊感がある【2,000マン】はブライアンの奏でるメロトロンの効果だ。その後、彼はストーンズのサウンドにシンセサイザーを取り入れることを提案したがその案は却下される事となる。しかし、少なくても今作に於いては電子的なキーボードは効果的なツールであり、ブライアンのアイデアが無ければこれらのサウンドを表現することは難しかっただろう。因みにキースはこのナンバーがこのアルバムで一番のお気に入りだとか…。

うして聴き込んでいくと若干メリハリに欠けるものの”失敗作”と全世界的に言われるほど酷いサウンドとは思えない。キース風に「ところでロックンロールは何処に行ったんだい?」と言われれば彼ららしくないと言わざるを得ない。そこでオールダムの途中離脱が重くのしかかる。ミックが後のインタビューで語ったように「もう十分だよ。ありがとう。じゃあ次の曲に移ろうか?」と言うプロデューサー(オールダムを指す)が居て作品をコントロールすることが出来れば、ひょっとするとヒッピー・カルチャーに於ける歴史的な大名盤となっていたかも知れないと思うのである。そう言った意味でも今一度、検証するに値する貴重な作品であることは間違い無い。

(参考資料:集英社インターナショナル発行『ローリング・ストーンズを聴け!』中山泰樹著)


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