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ブログ名はイタリア語で「気ままな暮らし」 テキト~に更新しま~す^^

『SETTING SONS』 THE JAM ≪ブルース・フォクストン~FROM THE JAM来日記念≫  






作と言われた前作『オール・モッド・コンズ』により国民的バンドへの足がかりを掴んだザ・ジャムが渾身のモッズ・サウンドを注入して作った本作『セッティング・サンズ』は1979年11月の全英アルバム・チャートで初登場4位を記録、同チャートで初のトップ5入りを果たし、ついにイギリスを代表するバンドに昇りつめた。このアルバムはアメリカのBillboard200でも最高137位を記録し彼らが初めて全米チャートにその足跡を残した作品でもある。

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英、全米チャートを占めるミュージシャンを比べると当然の事ながら毛色が違う。国民性の違いと言えばそれまでだが、当時の全米チャートにランク・インしてくるバンドは全英と比べるとよりポップで明るく、色恋沙汰の楽曲が受けていた気がしてならない。その割にリスナーは妙に耳が肥えていてサウンド・クオリティーを重視し、当時全英を席巻していたパンク&ニューウェーブ系のバンドが入る隙は無いように思われた。そんな中で全米チャートにランク・インしたザ・ジャムの実力は相当なものだが、もう一つの側面として同年に全米でもネオ・モッズサウンド・ムーブメントがあった事も忘れてはならない。

れはザ・ナックが発表しビルボードのシングル・チャートで5週連続1位を獲得した【マイ・シャローナ】である。当時のザ・ナックを思い出してみると白シャツに細身の黒パンツ、細いネクタイとスタイル的に見てもザ・ジャムのパクリに見える。また、当時のメンバーも語っていたようにモッズ・サウンドの元祖であるザ・フーをモチーフにしていると公言していたほどだ。そんな事から見てもアメリカで受ける要素を兼ね備えていたザ・ジャムだったが、楽曲の殆どを手がけるポール・ウェラー曰く「音楽面でモッズ(サウンド)を意識したのはこの作品まで」とリスナーを煙に撒くコメントを残している。

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て、このアルバムだがウェラーが語っていたようにモッズ・サウンドの要素を全て注ぎ込んだような作品に仕上がっている。2作目、3作目とアコーステック・ギターを導入し、時に叙情的な質感を生んだサウンドも垣間見えたが今作では気持ちよい程メタリックでモッズ的なサウンドに仕上がっている。アルバムの1曲目を飾り、電話のベルから始まる【ガール・オン・ザ・ホーン】はザ・ジャム初期を彷彿とさせるタテノリ・サウンド。2曲目【引き裂かれぬ仲】では3人のノリの良い絶妙なアンサンブル。個人的に大好きな【プライヴェイト・ヘル】のカッコ良さ! フォックストンが弾くこの曲のベースラインは白眉で、きっと今月来日するフロム・ザ・ジャムの公演でも演奏されるに違いない。アルバムを全体的な流れで追うとこれまでのアルバムと違い一貫した物語性が感じられる。それもそのはずで当初は3人の幼馴染みが成長と共に離ればなれとなって行く様を表現したコンセプト・アルバムになる予定だったらしい。言われてみれば曲のタイトル【少年の兵士】【不毛の荒野】【燃え上がる空】やアルバム・ジャケットを見ても色々な意味を含めて戦闘を意識したものに感じられる。

7曲目の【スミサーズ-ジョーンズ】はフォクストンが書き下ろした曲で、激しくローリングするプレイを見せる彼としては珍しくストリングスがメインで構成されている美しい楽曲であり、このアルバム中でも異彩を放つ曲となっている。そして9曲目は先のジャパン・ツアーでもウェラーが披露した【イートン・ライフルズ】アルバムで聴くのも良いがライヴだと場内に一体感が生まれ何倍も盛り上がる曲だ。最期を飾る【恋はヒート・ウェイブ】はノリの良いダンス・ナンバーでマーサ&ザ・ヴァンデラスが1963年に発表した曲のカヴァーでザ・フーも1966年にリリースしたセカンド・アルバム『ア・クイック・ワン』でカヴァーしている。どちらの演奏が上手いか、カッコ良いかなんて事はどうでもよくて、唯々、素晴らしいナンバーは時を超えて演奏されて行くといった好例だろう。ちなみにこの曲でゴキゲンなプレイを奏でるピアノは後にウェラーとザ・スタイル・カウンシルを結成する事になるミック・タルボットが演奏しているのも感慨深い。

のようにザ・ジャムが発表した通算6枚のスタジオ・アルバムの中で最もモッズ的な香りを漂わせているのは間違いなく本作だと言える。間もなくフロム・ザ・ジャムを率いて来日公演を行うブルース・フォクストンから、是非、このアルバムの曲を我々オーディエンスにプレゼントして貰いたいと思う。


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