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Buontempo~!

ブログ名はイタリア語で「気ままな暮らし」 テキト~に更新しま~す^^

『BETWEEN THE BUTTONS』(UK盤)THE ROLLING STONES 






ングルで発表した【サティスファクション】や【黒くぬれ!】の世界的ヒット、そしてミック・ジャガーとキース・リチャーズの二人が全曲を手掛けた前作のアルバム『アフターマス』の成功によって更なる高みに昇ったローリング・ストーンズ(いや、ミックとキースと言うべきだろうか?)。その後に放たれた作品がこの『ビトゥイーン・ザ・バトンズ』である。

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ックとキースに言わせると前作を境にストーンズを「改造の途中」との事だが、それはマネージャーでプロデューサーでもあるアンドリュー・ルーグ・オールダムのご意向でもある。とにかく、このアルバムはR&Bをベースにしたこれまでのストーンズのサウンドから別の方向性を探るラボ(実験室)の要素が多分にある。ベースのビル・ワイマン曰く「アルバム全体をひとつの作品として考えて作った最初のアルバム」だと。所謂、コンセプト・アルバムという事なのだろうが、確かにアルバム全体の流れがジャケット写真のように幻想的であり何処かボードヴィル調であるものの、ハッキリとしたコンセプトは感じられない。むしろ、ヒッピームーブメントやサイケデリックといったこの時代の空気感を含んだ仕上がりとなっている。

う言った意味ではシングル曲がアルバムに混在しているUS盤は別として、サティスファクション系のストーンズらしさをあえて打ち消したこのアルバムは実に奥深い内容となっている。勿論、ミックとキースが作り出す曲の素晴らしさもあるのだが、様々な楽器を操り曲に彩を加えたブライアン・ジョーンズの存在抜きではこのアルバムを語ることは出来ない。また、バンド創設メンバーのイアン・スチュワート(スチュー)に加え、ニッキー・ホプキンス、そしてオールダムが「的確なサウンドを作り出す名人」と評し、キースに敬愛すると言わしめた「鬼才」ジャック・ニッチェらの参加が無かったらどこまでこのサウンドを表現できた事か…。

んな視点で聴いていくと、まずパーカッションとヴァイヴから始まるイントロに耳を奪われ、ビーチ・ボーイズ風のコーラスを聴かせるキースの声に驚きを禁じ得ない1曲目の【イエスタデイズ・ペイパー】。キースが演奏するサイケデリック調のギターサウンドも聴きどころだが、マリンバを操るブライアンは相変わらず器用である。3曲目の【バック・ストリート・ガール】はキースのアコーステック・ギターが美しいメロディを奏でブライアンはアコーディオンで彩を添える。そのサウンドが重なり合うとまるで清流のような美しい流れに聴こえる名作だ。また、5曲目の【甘いほほえみ】はストーンズ史上5指に入るのではないかと思われるスローバラードだ。抑え目ながら情感タップリと歌い上げるミックのヴォーカル、徐々に盛り上がる曲構成はキースの類稀な才能を窺わせる。そして、何と言ってもスチューのオルガン、ニッチェが奏でるピアノ旋律が無ければ成り立たない傑作である。

チューの活躍それだけには留まらない。6曲目【クール、カム・アンド・コレクテッド】では一変してゴキゲンなホンキートンク・ピアノで全体をリード、ブライアンはカズーでサウンドに乗っかり楽しげである。勿論、変速していくチャーリー・ワッツの的確なドラミングを忘れてはならないのだが。アコーステック・ギターとピアノのコラボレーションというと9曲目の【眠りの少女】も外せない。ここでキースは大胆なカッティングでアコギを演奏しながら曲を牽引しつつ、エレキ・ギターを効果的に重ねてサウンドに奥域を持たせている。ミックのヴォーカルと寄り添うように加わるピアノが2重奏のように感じられブライアンのハーモニカが郷愁を誘いつつ、ジャズ・ベースのようなビルのベースラインが印象的な曲だ。

作からのポップな流れを捉えつつ、サイケデリック感満載なサウンドを聴かせるのは【オール・ソールド・アウト】【プリーズ・ゴー・ホーム】だろう。何と言ってもキースのギターサウンドが痺れる。ちょっとしたフレーズ、ギターの音色がサイケデリックで60年代の空気感がビンビンと伝わる。また、本作の中で「最もストーンズらしい?」のが、11曲目の【ミス・アマンダ・ジョーンズ】だ。典型的なロックン・ロールでシングル・カットされていないのが不思議なくらい、或る面、ストーンズらしい。アルバム中でこの曲を当時聴いて何故か「ほっ!」としたストーンズ・フリークも居たのではないか。

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ルバムのラストを飾る【昨日の出来事】は全くストーンズらしさが皆無な作品である。キースがリード・パートを取り、ミックがサポートを務めるダブル・ヴォーカル、そしてマッタリとした曲調がどこかビートルズ的というか、レノン&マッカートニーを意識していると思わずに居られない。ビートルズとの決定的な違いはそこにブライアンが居たか居ないかだろう。サックス、トロンボーン、クラリネットを操るブライアンのマルチな才能が1曲に凝縮されていて、そこに定説と言われている過剰なアルコール摂取とドラッグによる脱線は微塵も感じられない。その悲劇的な末路を思うとブライアンの演奏が表面上は明るい曲調であるものの、作り笑いのようなもの寂しさを感じるのはワタシだけだろうか。

成から半世紀を超えるストーンズの歴史の中で、これほど多岐に渡るサウンドを含んだアルバムがこれまで存在しただろうか。ブライアン・ジョーンズの存在と共にかき消された感のある名作はもっと評価されても良いように思うのはワタシだけだろうか。このアルバムを聴くと強く思うのである。


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ローリング・ストーンズ THEROLLINGSTONNES

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