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Buontempo~!

ブログ名はイタリア語で「気ままな暮らし」 テキト~に更新しま~す^^

『Sgt.Pepper’s Lonely Hearts Club Band』 THE BEATLES 






1963年『プリーズ・プリーズ・ミー』の発表以来、マージー・ビートで世界を席巻してきたビートルズだったが、録音技術の発達と共にその表現方法に変化が出てきたということは先の『リヴォルバー』のコラムで書いた。その手法を更に生演奏では表現できない次元まで発展させ、彼らをミュージック・シーンの頂点へと導いたアルバムが通算8作目となる『サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド』と言われている。このアルバムは世界初のコンセプト・アルバムでもあり、日本でも衝撃を受けた人々からは口々に「ロック史上、最高傑作アルバム」と枚挙にいとまがなく聞かれる。

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のジャケット写真を見てもらっても分かる通りアートワークも素晴らしく且つユニークだ。ビートルズを囲む様々なギャラリーの中にボブ・ディランやマリリン・モンローの顔が見えたり、意外と見落とされがちだが向かって右下の人形にはローリング・ストーンズの名前が書かれたりしている。ちょうどこの時期【オール・ユー・ニード・イズ・ラヴ】のコーラスにストーズのミック・ジャガーとキース・リチャーズが参加していた事と無関係ではなさそうだ。現在のような音楽配信によるジャケットの喪失、CDによる盤面が小型化した時代と違い、当時のLP盤のジャケットは30×30センチという自由なスペースを与えられたために、そこへミュージシャンの芸術性やメッセージを込められるという点でも制作意欲を搔き立てられたことだろう。そういった背景も相まってこのアートワークだから、アルバムをより一層、カリスマ性を帯びたものにしているように見える。

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ウンド面で見ていくと作品の特性上ヴォードヴィル仕立ての味付けが色濃くトラック3~6の【ルーシー・イン・ザ・スカイ・ウィズ・ダイヤモンズ】【ゲティング・ベター】【フィクシング・ア・ホール】【シーズ・リーヴィング・ホーム】のまでの流れは本当に美しく、目の前に俳優が居ないにも関わらずまるで舞台を鑑賞しているような錯覚を覚える。またアヴァンギャルド風な【ビーイング・フォー・ザ・ベネフィット・オブ・ミスター・カイト】 がある一方、アナログアルバムにあたるB面(トラック8)からは一転して実験的な作品が並ぶ。前作『リヴォルバー』で発表したようなジョージ・ハリスンが奏でるシタールの響きが神秘的である【ウィズイン・ユー・ウィズアウト・ユー】といったインド音楽、従来のようなマージー・ビートにポップ的な要素を融合しピアノの旋律がユニークな【ラヴリー・リタ】、【グット・モーニング,グット・モーニング】ではサイケデリック・サウンドをも取り込んでいる。

かし、何といってもこのアルバムの肝はアルバムタイトル曲の【サージェント・ペパーズ~】と【ア・デイ・イン・ザ・ライフ】ではないか。アルバムのオープニングを飾る【サージェント~】は彼らのサウンドのルーツとも言えるリズム・アンド・ブルースを下敷きにした上にサイケデリックな音色のギター(リード部分はジョンでなく、ポールが演奏といわれている)を重ねて仕上げ、リンゴの重みがあるドラムがサウンドを引き締める名曲だ。トラック12にはポップにアレンジされたバージョンが録音されているが、ここからラストの【ア・デイ・イン・ザ・ライフ】までの繋ぎがまた美しい。戦争に向かう兵士の心情をモチーフにした歌詞はジョンの痛烈なメッセージとも受け取れ、オーケストラを劇的なまでに融合したこの曲はビートルズ(ジョン=ポール)の楽曲の中で【オール・ユー・ニード・イズ・ラヴ】と双璧する最高傑作に値するのではないか?この曲を境にジョン・レノンがソングライターと「平和活動家」との融合を果たしたと個人的には思う。

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タシは当初、このアルバムについて音楽フリークの間で言われているような「ロック史上における最高傑作」とは全く思わなかった。コンセプト・アルバムとしては後にデヴィッド・ボウイがリリースした『ジギー・スターダスト』のように、より物語性の濃いアルバムもあるし、正直『サージェント~』はサウンド的にも実験性が強すぎる印象さえあった。しかし、何度も何度も何度も、ずっ~と聴き込むうちに突如ハマった。それは楽曲の持つ美しさであったり、アルバムの中の流れであったり…。スゴク安っぽい言葉になってしまうが「プログレッシブ・ロック」の道を切り開いたと言えるアルバムではないかと感じる。

期に、可能であればこのアルバムはしっかりとした音楽環境で聴いてもらいたい。パソコンや携帯音楽プレイヤー、ましてやスマホではこのアルバムの音の奥域や空気感は味わえないから。それらを感じなければこのアルバムを聴く意味が全く無いのだ。


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