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Buontempo~!

ブログ名はイタリア語で「気ままな暮らし」 テキト~に更新しま~す^^

『HUNKY DORY』 DAVID BOWIE 






1971年1月、アメリカのマーキュリー・レコーズとのプロモーションのために初訪米したデヴィッド・ボウイは以前からの憧れであったルー・リード(ヴェルヴェット・アンダーグラウンド)、アンディ・ウォーホールと会うことで多大な刺激を受け、その体験がモチーフとなって通算4枚目のアルバム『ハンキー・ドリー』が制作された。前作の『世界を売った男』と比べると随分と趣向が異なり、エレキギター・サウンドを核としたビートの効いたロック路線が継承されると期待していたファンはさぞかし面食らっただろう。

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れもそのはずで2作目の『スペイス・オディティ』と前作でプロデューサーとして辣腕を振るっていたトニー・ヴィスコンティがマーク・ボランから強力な要請を受けたことと、自身が所属する事務所との契約の問題でT・レックスのプロデュースに専念することになり、一旦、ボウイと袂を分かつことになる。代わりに白羽の矢が立ったのは前作よりエンジニアとして参加していたケン・スコットだ。スコットはボウイとの共同プロデュースという形でアルバムを制作することとなり、これを機にボウイの音楽活動は急激な上昇カーヴを描いていくことになった。

ウイのバックを固めるバンドは紆余曲折があったものの前作でもセッションしたミック・ロンソン(g)、ウッディ・ウッドマンジー(ds)と再び組んだが、前作でプロデュースの他、ベース・プレイヤーとしても参加していたトニー・ヴィスコンティが離れたことでギターのミック・ロンソンの伝手でベーシストにトレヴァー・ボルダーが新たに加わり、この時点で事実上、後のスパイダーズ・フロム・マーズが結成されることになった。そして、このアルバムのサウンドを語るうえで実に重要なのがピアノにリック・ウェイクマンが加わったことだろう。ギター2本、ベース、ドラムの4ピースサウンドに重厚感を持たせるためにピアノを加えたことで新たなロックの可能性を広げたのは特筆に値する。

ういった流れでこのアルバムを簡単に紹介すると、前作のようなバンドとしてのサウンドはかなり抑えられ、リック・ウェイクマンが奏でるピアノに調和させるようにアコースティック・ギターのサウンドが絡んでいく作りとなっている。そんな中でこのアルバムの代表となる曲は【火星の生活】だろう。この曲のPVで登場するボウイはケバケバしいメイクとスカイブルーの派手なスーツを着込んで現れ、我々リスナーの度肝を抜いたがサウンドは素晴らしく、後にTVでのインタビューでリック・ウェイクマンが「ピアニスト冥利に尽きる素晴らしい曲」と評した美しい曲だ。もう一つ付け加えると、この曲のコード進行はフランク・シナトラの【マイ・ウェイ】と全く同じなのだが、ボウイ流のSF的解釈で曲作りを行うと同じコード進行でも全く別の曲になるという好例だろう。

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くの楽曲が美しいピアノの旋律が中心となった構成となる中で、8トラック目の【アンディ・ウォーホール】は2本のアコースティック・ギターが絡みながら進行していく曲で疾走感のある名曲に仕上がっている。技術的な話になるが2本のギターサウンドを適時に左右に振り分け聴かせるミキシングはケン・スコットの手腕だろう。10トラック目の【クイーン・ビッチ】はルー・リードへのオマージュ溢れる作品だ。このアルバムの中では唯一の激しいロック・サウンドでミック・ロンソンが気持ちよくギターをプレイする様が目に浮かぶ。この辺りの曲を聴くとボウイがこのアメリカ訪問で受けた影響の大きさを感じざるを得ない。

して、このアルバムを語るうえで最もピックアップしなければならないのは9トラック【ボブ・ディランに捧げる歌】だ。エレキギターを核としたバンド・サウンドとピアノが絡み合うこの曲はこの後にリリースされる『ジギー・スターダスト』に繋がる重要な曲で、この手法をここで確立したボウイとケン・スコットは今後のアルバム制作において間違いなく手ごたえを掴んだと思われる。

のようにここまでのフォーク・ロック、エレクトリック・ギターを中心としたロック・サウンドをまさしく【チェンジズ】(トラック1)した結果、全英アルバム・チャートで3位にランクされたことで、このアルバムからグラム・ロックへとボウイのサウンド、キャラクターといった方向性が決定づけられたと言っても過言では無いだろう。


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